株式投資のはじめ方

コロナ禍での株高もあってか最近、株式投資に関する書籍やTVCMを見ることが増えました。私も昨年から株式投資を始めた新参者ではありますが、正直コロナ禍の株高はかなりいい相場だったと思います。4カ月で投資金額に対して+25%の利益を得ることが出来ました。

私の周りでも株式投資を始める人が増えたので、私が勉強してきた株式投資の始め方を書いていこうと思います。

株式投資とは

企業が新規事業を始めたり、事業拡大をするなどで手持ちの資金以外で新たに資金を調達するためにを発行します。しかし、株を発行したところで株式市場に公開していないので自由に売買することはできません。そこで、一定の審査条件を満たせば、その株式市場に上場し、株を売買することが出来るようになります。有名な株式市場としては東証一部、東証二部、ジャスダック、東証マザーズなどがあります。

私たちは上場した株を各証券会社(楽天証券、SBI証券、SMBC日興証券など)を通して、証券取引所で売買をすることができます。

企業の株を買うということはその企業の株主になるということです。株主になると株主総会へ参加できたり、株主優待をもらえる権利を得られます。そのほかにも買った株を売ってその差額分の利益を得たり(キャピタルゲイン)、株を保有するだけで受け取れる配当金(インカムゲイン)を得ることができます。ただし、株主優待や配当金は全ての企業が用意しているわけではありませんし、業績悪化などで途中で株主優待を撤廃したり、配当金を減配することも多々あることを留意してください。

株式投資といっても企業が発行する株式や株式指数に連動する投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)などがあり、様々な資産運用をすることが出来ます。

株式

企業が資金調達のために発行する証券。株を発行している会社の事を株式会社といい、日本だけでなく、アメリカや中国など世界中の会社がこの形式をとっています。もちろん、日本以外の株式を購入することもできます。

日本株式

東京証券取引所を中心に株式の取引が行われています。大型株(時価総額が大きい)である大企業が上場する東証1部や東証2部に加えて、中小型株(時価総額が小さい)である新興会社が上場するジャスダックや東証マザーズなどの市場があります。

日本株式では、東証1部の225社の平均を算出した株式指数の日経平均株価が重要な指標として使われています。

米国株式

ニューヨーク証券取引所を中心に取引が行われています。また、アップルやアマゾンが上場しているナスダック市場も大変活発となっています。アメリカの株式指数の代表としては、ダウ平均株価(ダウ・ジョーンズ社が作った30社の平均株価)やナスダック株価S&P500(同じくダウ・ジョーンズ社が作った500社の平均株価)があります。これらの指数の動きによって翌日の日本株式市場に大きな影響を及ぼすため、日頃から意識してみることが必要です。

上場投資信託(ETF)

株式指数に連動して値動きする投資信託の事です。例えば、日経平均連動型ETFは日経平均株価が上げれば上がるし、反対に下がれば下がります。ただし日経平均と連動する株があるわけではなく、証券会社などが日経平均と連動するように株式を運用(インデックス運用)しているだけです。

その中でもS&P500に関しては、投資の神様と言われるウォーレンバフェット氏も自分の家族に向けて、自分が死んだら資産をS&P500連動型ETFにつぎ込むように伝えるほど強い指数となっています。

この図を見てもわかる通り、ずーっと右肩上がりで伸びています。10年間保有していたら、3.5倍くらいにはなっています。

不動産投資信託(REIT)

投資家から集めた資金をもとにオフィスビルや物流倉庫などを購入し、賃貸などの収入や譲渡金を配当金として還元する投資信託です。これは株式などの証券とは違い、不動産の一部オーナーになる感じだと思っていください。

やはり、メリットとしてはインフレに強い点です。世界の政府が大胆な量的金融緩和を実施したため、コロナが収束したら世界的なインフレが来る可能性があります。その状況下では、不動産価格が上昇するためREITにメリットがあるというわけです。

株を買うには

株を買うには証券会社に口座をつくる必要があります。有名どころとしては、楽天証券SBI証券SMBC日興証券などで新規口座申し込みをします。

すると、郵送で書類が送られてきますので必要事項を記載の上返送すれば後日、口座情報が送られてきますので開設完了となります。

株の売買はパソコンでもスマホでもできますので、使いやすい方を選んでください。(私はもっぱらスマホでやっています)

株の取引に関する基本事項

ここでは株の取引に関する基本事項について書いていきます。

取引最低単位

日本株は原則100株からしか買えません。例えば、トヨタ自動車は2021/5月現在1株あたり\8,127です。トヨタ自動車の株を買おうと思ったら最低\812,700は必要となります。そのため、日本株を買おうとするとある程度まとまったお金を用意する必要があります。

一方の米国株は1株当たりから購入するできるため、比較的少額から投資を始めることが出来ます。日本市場でもETFやREITは1株から購入が出来ますので、個別の日本株が買えないようであれば、こちらを購入するのも一つの手段です。

取引時間帯

株式売買できる時間帯は原則取引所が空いている時間(東京証券取引所の場合は平日のお昼11:30~12:30を除く9:00~15:00)です。しかし、PTSと呼ばれる私設取引所(証券会社や機関投資家が直接証券の取引をする)では夜間に取引をすることが可能です。

取引方法

株式の取引には現物取引と信用取引の2種類があります。

現物取引とは、口座にある資金分の証券を購入する取引です。例えば、口座に100万円あるとすると上記の例のトヨタ自動車の株は100株のみ購入することが出来ます。言い方を変えれば、自分の身の丈にあった投資方法です。

一方の信用取引とは、口座の資金や運用中の株式を担保に最大3倍の金額で証券会社からお金を借りたり、証券を借りる取引です。

例えば、口座に100万円あるとするとその資金を担保に証券会社から300万お金を借りて、トヨタ自動車の株を計300株買うことが出来ます。もし、トヨタ自動車の株が\9,000になった時点で売却すると1株あたり差額の783円の利益が出るので300株全て売却し、借りた分は返せば234,900円の利益となります。このことを信用買いと言います。

一方、トヨタ自動車の株が暴落する場合を考えてみます。口座にある100万円と運用中の株式を担保にトヨタ自動車の株を300株借りてすぐに売ったとします。その後にもし、トヨタ自動車の株価が\7,127まで下がった時点で株式を300株だけ買い(買戻し)、証券会社に300株分返却すれば、1株あたり差額の\1,000の利益が出るので計300,000の利益となります。このことを空売りと言います。

信用取引はいい事ばかりではなく、途中で担保の資金がなくなったり、運用中の株式が暴落して一定の水準を満たさなくなった場合は追加で担保を差し出さなければなりません。このことを追い証といいます。この追い証を払えなければ、強制決済されて運用中の株式は売却されてしまいます。

株式投資のスタイル

株式投資といったらどういったスタイルを思い浮かぶでしょうか。毎日パソコンとにらめっこしてチャートを見て何億を稼いだ人や買った株をすっかり忘れて入れ数十年後に口座をみたら10倍になっていたという人などいろいろな逸話を聞きます。ここでは株式投資のスタイルについて簡単に説明していこうと思います。

デイトレード

一般的には株式投資といったらこちらのイメージが強いかもしれません。1日の中の値動きで株を売買して利益を出すスタイルです。こういったスタイルの人をデイトレーダーと言い、専業投資家ともいわれています。

この方々が株の売買で主に使う分析手法がテクニカル分析です。株式の売買で平等に使えるツールの一つにチャートがあります。チャートとは分単位、日単位、週単位、月単位の株売買の結果を1本のローソクで表す以下の図になります。

株は需要供給で成り立っているため、必ずトレンドがあります。ローソク足が右肩上がりの時を上昇トレンド、右肩下がりの時を下降トレンドと言います。ちなみに黄色の線や赤色の線、緑色の線は移動平均線といって毎日の終値(その日最後の株価)を例えば25日ごとに平均して線でつなげたものです。

順張りと逆張り

順張りという方法では、株価が上昇トレンドにあるときに買って下降トレンドに入ったら売ります。一方、逆張りという方法は下降トレンドから上昇トレンドに切り替わるタイミングを狙って株を買い、再び下降トレンドに入るときに売ります。(株価のリバウンドを狙う方法)テクニカル分析の売りサインが順張りの方が適応しやすいですが、ハイリターンは逆張りの方が大きいですので、人のそれぞれだと思います。

中長期保有スタイル

デイトレードは違い、数週間から数カ月、数年と株を保有するスタイルもあります。こちらでは主にファンダメンタルズ分析を使って株の売買をします。

ファンダメンタルズ分析では、企業の財政状況や中長期ビジョン、置かれる環境を分析し購入をします。分析には四季報や決算資料、企業が出している中長期計画などあらゆる資料を読み込み、数年どうなっているか?今この株価で買っても割安かなどを分析します。

長期で株を持つ場合はテクニカル分析は必要ないですが、中期例えば数週間などで売買する場合はテクニカル分析も組み合わせることが多々あります。テンバガー(10倍になる株)となる候補を見つけるにはこの長期保有スタイルとなります。

まとめ

株式投資は証券会社の口座を開設すれば、ETFやREITも含まめると1株あたりから投資ができます。パソコンやスマホなど店頭に行くことなくできるのもよい点だと思います。

人によっては専業個人投資家となって株売買をするもいいし、サラリーマンしながら中長期で株売買をして投資を楽しむのもいいと思います。

株式投資はいろいろなスタイルや手法があるため、個人にあった投資方法に合わせてかつ、楽しみながらやれば長く続けられるかと思います。

楽しい株式投資ライフを!!

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