Arduino

Arduinoで焦電型赤外線センサを使ってみる

世の中には人や動物などの熱源を持った動くモノに反応する焦電型赤外線センサがあります。身近なモノだとお店に入る際の自動ドアも人の体温に反応して開いています。

今回はこの 焦電型赤外線センサ を使った回路を作成します。

焦電型赤外線センサ

焦電型赤外線センサ とは、 人や動物などの熱源を持った動くモノ を検知するセンサです。お店の自動ドアや監視カメラの撮影のトリガーに使われたりします。

焦電体という素子が赤外線などの熱を受けることで表面に帯電していた電子と正孔が結合し、表面がプラスあるいはマイナスに帯電する状態へと変化します。このように熱があたり、電気的に変化が生じる仕組みを利用しています。

下図、 焦電型赤外線センサの中央にある黒色部分が 焦電体でここで熱を受けます。

SB612A

焦電型赤外線センサは出力が小さいため、別途増幅する必要があります。そこで、ここでは予めアンプなどを接続したモジュールのSB612Aを使います。

データシートを見ると供給電圧は3.3v~12vなのでArduinoの5vで十分ですが、検知した出力がHighが3.3V、Lowが0vですのでマイコンによってはスレッショルドの関係でうまく検知できない場合があります。Arduinoは1.8v以上であれば5vの出力になりますので、問題はありません。

端子はGNDとデータ、VCCの3つを使います。検知距離は最大8mとなっています。

上図のオレンジ部分を回すことで内部の可変抵抗値が変化して感度調整、調光、遅延時間調整を調整することができます。

感度調整

PIR信号を検出するための閾値を調整し、検出の精度を調整できます。閾値はVSS~VDD/4となっているそうです。

調光

明るい場所での感度の調整ができます。抵抗値が高いほど、感度が鈍くなります。

遅延時間調整

検知の遅延時間を調整できます。最小値が2秒で最大が3600秒です。

焦電型赤外線センサで熱源を検知してLEDを点灯させる

焦電型赤外線センサ で動く熱源を検知したら、LEDを点灯する回路を作成します。

回路作成

作成した回路は下図をご覧ください。

使用した装置及び部品は下表をご覧ください。

Arduino小型コンピュータ搭載のマイコン
ブレッドボード抵抗・ジャンパー線などを使って回路を作る基板
LED順方向に電圧を加えると発光する半導体
抵抗510Ω電圧を下げる端子
ジャンパー線 (オス- オス) 電気を中継する線
ジャンパー線(オス-メス)電気を中継する線
焦電型赤外線センサ 動く熱源の物体を検知するセンサ

プログラムコード

プログラムコードは以下の通りです。

const int SENCER_PIN = 6;//焦電型赤外線センサの状態ピン
const int LED_PIN = 13;//LEDのピン

int value = 0;//焦電型赤外線センサの状態

void setup() {
  // put your setup code here, to run once:
  pinMode(SENCER_PIN,INPUT);
  pinMode(LED_PIN,OUTPUT);
}

void loop() {
  // put your main code here, to run repeatedly:

  value = digitalRead(SENCER_PIN);

  if(value == HIGH)
  {
    //LEDを点灯
    digitalWrite(LED_PIN,HIGH);
    delay(500);
  }
  else
  {
    //LEDを消灯
    digitalWrite(LED_PIN,LOW);
    delay(500);
  }
}

実行結果

実行結果は以下の動画をご覧ください。

まとめ

今回は 焦電型赤外線センサを使った回路を作成しました。お店の自動ドアなど身近でも使われているセンサですので、親しみやすい電子部品ではないでしょうか。

このセンサをトリガーに様々なことができるので仕組みは理解しておきたいものです。

参考書籍

Arduino電子工作