今回は透過型フォトインタラプタを使った回路を作成します。以前に反射型フォトインタラプタを使ってLEDを光らせました。反射型は赤外線LEDから発光した光をフォトトランジスタ側が受け取り通電する仕組みでしたが、透過型は赤外線LEDとフォトトランジスタ間を遮ると電気が流れなくなる仕組みです。
透過型フォトインタラプタ
透過型フォトトランジスタには赤外線LEDと発光した光を受信するフォトトランジスタの2つから構成されています。赤外線LEDとフォトトランジスタ間には赤外線が出ていますが、その間を遮ることでフォトトランジスタ側で光を受信できなくなり、通電しなくなる仕組みです。
CNZ1023
ここで使う透過型フォトインタラプタはCNZ1023です。秋月電子通商だと一つ20円で購入ができます。
この電子部品には端子が4つあり、下図のように赤外線LED側の端子でアノードとカソードがあります。一方のフォトトランジスタ側の端子でエミッタとコレクタがあります。
透過型フォトインタラプタを使ってLEDを光らせる
赤外線LEDとフォトトランジスタ間を遮蔽物で遮るとLEDが消灯し、そうでなければ点灯する回路を作成しました。Arudinoは5V供給のために使っているだけですので、電池などでも問題ありません。
回路を組む
回路図は以下となります。
ここで使用した装置及び部品は下表をご覧ください。
ブレッドボード | 抵抗・ジャンパー線などを使って回路を作る基板 |
Arduino | マイコン搭載の小型コンピュータ |
抵抗200Ω | 電圧を下げる端子 |
抵抗1kΩ | 電圧を下げる端子 |
ジャンパー線 | 電気を中継する線 |
LED | 順方向に電圧を加えると発光する半導体 |
透過型フォトインタラプタ | 赤外線LEDとフォトトランジスタ間を遮断するかによって通電する電子部品 |
赤外線LED側の抵抗値
赤外線LED側の抵抗値を求めるにはまず、データシートから透過型フォトインタラプタのLEDの順方向電圧がいくらなのかを確認します。
電流を20mAとすると最大で1.4Vとなります。今回の回路も流す電流を20mAとすると以下のグラフから約1.2Vとなります。オームの法則より (5v – 1.2v)/20mA = 約190Ωとなります。手元にあった近い数値の200Ωを採用します。
ただし、200Ωとすると実際に回路に流れる電流は(5v-1.2v)/200 =19mAとなります。
フォトトランジスタ側の抵抗値
次にフォトトランジスタ側の抵抗値を求めます。まず、順方向電流は20mA(実際は19mAですが)となりますので、その時のコレクタ電流は4mAになります。また点灯させるLEDの順方向電圧は別途LEDのデータシートを見ると2.1Vとなっていました。
オームの法則から(5v – 2.1v)/4mA =725Ωとなり、手元にあった一番近い抵抗値として1kΩを採用します。回路図は以下のようになるかと思います。
実行結果
実行結果は以下の動画をご覧ください。
まとめ
反射型フォトインタラプタに続いて透過型フォトインタラプタと使ってLEDを点灯・消灯する回路を作成しました。この電子部品もそうですが、特定の位置に到達したことを検知するのに向いています。
今後も使うことがありそうな電子部品ですので仕組みを知っておいて損はないでしょう。