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平均の種類

皆さんは『平均』というと何を想像しますか

一般的には、「5教科のテストの平均点」であったり、「家族の平均年齢」といわゆる、それぞれの値を合計し、加算分でならした平均を思い浮かぶと思います。式で表すと(a+b+c)/ 3ですね。

この平均のことを『算術平均』といいます。一般的に使われている平均です。

実は平均にはその他に様々な種類あり、今回はその平均について紹介したいと思います。

算術平均

これは冒頭でご紹介したとおり、「それぞれの値を合計し、加算分でならした平均」です。広く一般的に平均というとこれを思い浮かぶ人が多いかと思います。下表で性質について説明します。

表1 A組の国語のテストの平均点について

Aくん 60
Bくん 50
Cくん 80
Dくん 70
Eくん 40

この平均を算出する式は (60+50+80+70+40)/5 となり、結果は60点となります。これは「最小値から最大値の間で何か代表的な値を算出」しています。この代表的な値の事を『統計量』ともいいます。

相乗平均

相乗平均とは値を掛けてルートにする方法で算出する平均です。この平均は物価の上昇や成長率などで使われることが多いです。これも下表で説明します。

表2 とある企業の売り上げ

2013年 4%減
2014年 10%減
2015年 20%増
2016年 15%減
2017年 40%増

これを計算式にすると √0.96*0.90*1.20*0.85*1.40 =√1.23となり、平均は1.11(小数点第3位以下切り上げ)です。

これは2013年から2017年の売り上げを5年分でならしたことになります。言い換えると5年連続で11%の売り上げがあると同等です。この平均はその他にも『幾何平均』とも呼ばれています。

二乗平均

これは各値を二乗して加算し、個数で割った後にルートする平均です。これは後にも記載しようとは思っている標準偏差とかかわりがあります。平均といっても実は値のばらつきによって見方が変わります。表1と表3の例で説明します。

表3 B組の国語のテストの平均点について

Fくん 60
Gくん 60
Hくん 60
Iくん 60
Jくん 60

上記から「算術平均」はA組もB組もともに平均点は60点です。しかし、それぞれのクラスに性質に違いがありそうです。例えば、国語が70点あれば、合格できる大学があるとします。(極論ですが、ご了承下さい)その場合、以下のような性質が現れます。

・A組からは2人(CくんとDくん)、B組からは0人

同じ算術平均が60点でもこのような違いが出てきます。これは同じ平均でも各組の値にばらつきがあるためです。二乗平均は算術平均と比較し、平均値に差があるほどばらつきがあるということができます。

A組の二乗平均の式は√(60^2+50^2+80^2+70^2+40^2)/5となり、二乗平均は62点となります。一方のB組の二乗平均の式は√(60^2+60^2+60^2+60^2+60^2)/5となり、二乗平均は60点となります。

このように二乗平均ではA組とB組の平均が異なり、A組のほうがばらつきがあることがわかります。

調和平均

これは、平均速度を求める式です。例えば行きを時速xキロメートル、帰りを時速yキロメートルとした場合の平均時速は次の式になります。

2/(1/x + 1/y)

片道を1キロメートルとした場合は行きにかかった時間は1/x、帰りにかかった時間は1/yであるから往復2キロメートルで1/x + 1/y 時間かかったことになります。

きはじの公式

まとめ

平均のきほん

・算術平均はそれぞれの値を合計し、加算分でならした平均
・相乗平均は値を掛けてルートにする方法で算出する平均
・相乗平均は物価の上昇や成長率などで使われることが多い
・二乗平均は各値を二乗して加算し、個数で割った後にルートする平均
・二乗平均は値のばらつきをみる
・調和平均は平均速度を求める

参考書籍